『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』石角友愛著 を読んで学習意欲がかき立てられた

書評

「AIに関わる仕事、おもしろそうだからやってみたい!」

バロアルトインサイトCEOの石角友愛さんの著書『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)をワクワクしながら読みました。

私の職場はDXが進んでいるとは言いがたく、どんなことがAIでできるのかよくわからなかったのですが、AI素人の私にも、とても理解しやすいです。

AIが本に書いてあるように、企業であたり前に導入されてきていると知らなかったので、知見が広がりました。

こんな人に読んでほしい

『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』は、AIの初心者にもわかりやすく、「AI人材」になるために、今日からできることが書いてあります。

例えば、こんな人たちにおすすめです。

  • AIって具体的にどんなことに使われているのか知りたい人
  • AI人材になりたい人
  • 「リカレント教育」で新しいことを学びたい人
  • データ分析に興味のある人
  • キャリア形成に悩んでいる人

具体的には、「AIでどんなことができるの?」から始まり「どうやって企業にAIを導入していったらいいの?」、「そのために今日からできることは?」の答えを示してくれます。

もしAIに関わる仕事につきたいなら、どんなことから始めたらいいのかも書いてありました。

新しいことを学んでキャリアにつなげたい人、AIやITに関わる職に就きたい人、スキルアップしてチャレンジしたい人は、きっとおもしろく読めると思います。

知的好奇心を刺激されるので、学習意欲が高めの人にもおすすめです。

勉強する女性の画像

本のあらすじ

基本は、AI業界で働くための本です。

でも、書いてあることは、どの業種でも共通する必要な能力や考え方だと思いました。キャリア形成に悩んでいる人にも、役に立つ本だと思います。

例えば、「AIシナジスト」になるための必須スキルのひとつ「部署を超えた政治力」や「コミュニケーション力」。職場で活躍している人を思い浮かべると、このスキルを備えています。

私が働く会社では、AI導入をしていないのですが、本に書いてある効率化や省人化の進め方は参考になります。

DXが遅れている企業にいるからこそ、役に立つ部分がありました。

もしAI導入の可能性を持つ企業にいる人なら、きっとより身を乗り出して読めるだろうと思います。

AI導入の具体例がおもしろい

AI業界とは遠いところで働く私でも、おもしろいと思った事例がありました。

物流企業の配車用AIを作成した企業の例です。

AI導入前に、配車自動プログラムを導入したのですが、失敗したそうです。

理由は、配車自動プログラムが算出するルートは、ただシステマティックに時間やルートを割り振っただけで、配車担当者が長年蓄積した経験をもとに作るルートとはかけ離れてたから。

現場の人が考える「現実的なルート」とは、納品先の細かい事情や運転手の資質や条件を踏まえて組まれて作られたルートであるわけです。

例えば、A店は朝8時に届けないといけなくて、B社は金曜日は裏口からのみ納品というルール。こういうこと、ありますよね。

ほかにも、Cさんは長距離運転のスケジュールをきっちり管理できるとか、Dさんは短時間に手早く納品するのが得意とか、きっと個性や特性があるのだと思う。個人の経験値に頼って行われている業務がどこの企業にもあるとわかり、めちゃくちゃ共感しました。

リカレントで学ぶ画像

でも、本には“「属人的な判断基準」はビジネスの弱点になりうる”と書いてあります。「属人的な判断基準」とは過去の経験や、勘、なんとなくの感覚を元に判断する場面のことです。

人に付随するものであるから、その判断できる人がいなくなると業務は立ち行かなくなることもあるでしょう。読んでドキっとしました。勘や経験値を元に仕事をしていることって多くないですか?

属人的な基準をそのままシステム化しようとしても、システム化ってうまくいかないらしいんです。

本で事例を読むと「もっともなことだ」と思うのですが、自分ごととして考えると、属人的な判断をパターン化するのはとても難しそう。

これまでの経験となんとなくの部分で仕事をしてきた私は、「自分だったら」と想像しながら読みました。

弱点を補うには、「属人的な判断基準」でやってきた業務を“細分化して工程として書き出す必要がある”と知り、勉強になりました。

どうしたら0を1にできるのか

『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』を読んだことで、世の中にはすごい速度で仕事をしている人たちがいるのを肌身で感じました。

知らなかった世界を知ることができて、視界が広がりました。

ただ「いい本読んだな」で終わらせるのではなく、行動と思考を変えていこうと思える本でした。

「0」の人はまず「1」になる。
「1」になった人は、それを「10」や「100」にしていく手段を考えて実行に移す。

“経験ゼロ”から始める AI時代の新キャリアデザイン 石角友愛著 KADOKAWA

自分の「1」を目指して行動したいと思ったら、まずはこの本を読んでみませんか。

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