尾石晴さん(以下、はるさん)の『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略 』。タイトルを見たとき、「40歳の壁」ってすごくわかるけど、現在45歳の私は、私はもうタイムアウトなのでは…
そう思って、すぐには本を手に取れませんでした。
「この本を手に取るにはもう遅いんじゃない?」「自分が時間切れだということを突きつけられる内容だったらどうしよう。」
読む前はそんな気持ちで身体がこわばっていました。でも、恐れなくても大丈夫。
本には「壁を感じたときにどうしたらいいか」が書いてあって、遅いとか早いとかをジャッジする内容ではなかったからです。私が勝手に抱いていた、自分のコンプレックスによる先入観は無用でした。
40歳で立ちはだかる壁のひとつ「夫婦の壁」
『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略 』は、壁にぶつかりそうになってなんか違和感を感じている人、すでに壁が目の前に立ちはだかってるのに気のせいにしようとしてる人に、役に立つのではないかと思います。
壁があることで感じる違和感をまず分解して、違和感をどうやって解消するのか(もしくは一旦横に置いておくのか)を分解して書いてある本です。
私がまず前のめりになって読んだのは「夫婦関係の壁」の対処法。私がちょうど夫婦の壁に直面したばかりだったからです。
私は、2年前にパートタイマーから週5通勤のフルタイム勤務へと転換しました。そのせいで気がつかないうちに夫とは少しずつすれ違いが生じていました。
最近では、行き違いのひずみが大きくなったあまり、夫が一人で自家用車を買い替える決断をして実行。夫が車という大きな買い物を私に相談なく決めてしまったことに、私は大ショックでした。
これまで一度も夫が独断で何かを進めてしまうことはなかったので、私は胸が苦しくなり「私たち、ヤバイところまで来てる」と青ざめました。

私と夫との間で出来た壁。どうやって壊そうかと考えていた私に、新しい考え方を提示してくれました。
「今」は、石を細かく取り除き「夫婦関係の壁」の巨大化を防ぎながら、夫婦関係の方向性を見つけるための情報収集期間(モラトリアム)にしたらいいのではないでしょうか。
『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』尾石晴・著(出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン)
この部分を読んで、気が楽になりました。「今すぐ壁を壊すのではなく、これ以上壁を大きくしないようにしていけばいいんだ!」と思いました。
夫と私は、車のことは何がどうすれ違ったかを確認して、一旦、車の問題を終了させました。(もう買っちゃってるので)。そのあとは、LINEでこまめに連絡するようにして、壁が大きくなりすぎないように毎日を過ごしてます。
はるさんが書いてくれているように、
“理想の夫婦”を追い求めるのは「今やること」にしなくていい。まず今は、壁が大きくなりすぎないように、お互い情報収集しながら、やりすごしていこうー
そう思うと重かった夫婦の間の空気が変わってきました。
ぼんやりとしたイメージを言語化してくれる

私は、ただなんとなくフリーランスっていいなと思っていました。フリーランスは私の中では“手に職があるデキる人”というイメージ。でも、ぼんやりとした憧れだけで、一体何をして、どんなふうに生きていくのかをあまり明確に考えていませんでした。
本の中ではるさんが提唱されていた「自分業」という言葉があります。私があいまいなまま感じていた、自分のありたい姿がこの自分業だとわかりました。「自分業」の定義はこうです。
【自分業の定義】
『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』尾石晴・著(出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン)
・お金・つながり・健康の3つの要素を満たす仕事。
・やりがいを持てる仕事。
・自分が裁量権(コントロール権)を持てる仕事。
自分がフリーランスになりたいと思うのなら、それを現実化させるに抽象的なイメージから具体的な行動に落としこまなくてはいけないですね。
ふんわりと「なれたらいいなー」と幻想を抱いているだけでは、フリーランスになれるわけはないと本を読んで気がつきました。本には、まずは自分業を見つけるため、細かく分解して自分なりの「種」を探す考え方が書いてあります。
お金のこと|分解して考えたら果てしない道ではないとわかった

自分業でいくら稼げるようになるか―
お金の話は、私にとっては1番気になるポイントでした。心に残ったのは、「大きく稼げるビジネスモデルだけを求めない」ということ。
私が「自分業」をやると考えてみたとき、いま会社員で受け取っている給与と同額の報酬を、ただ1つの自分業で稼げるようにならないと思っていました。
しかも半年以内とか、とても短い期間のうちに達成しないといけないと思っていました。すごく遠い道のりに感じました。たどり着ける気がしなかったです。
でも、本を読んで、すぐ結果を求めなくてもいいとわかりました。何が自分の種になるかを1つずつ確かめていけばいいんだと。
例えば、毎月10万稼ぐとした場合―
5000円を20人、1万円を10人、5万円で2人のどれでもいい。5000円と5万円を組合せてもいい。自分業の 「花」が咲きそうな「種」を見つけて少しずつ育てておけばいいと書いてあります。
私だったら毎月10万ではなく、まずは1万からでもいいわけで。ブログを書いていてわかるのは、自分の書いた文章を読んで本を買ってもらうレベルまで持っていくのはとても難しいということ。
だから私はそのレベルに到達しなくてもいいやと早いうちに試合を放棄していました。
でも、『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略 』を読んで、自分業で収入を得ることができるかを、もっと真剣に考えてみようと思いました。
はるさんがうまくいっている理由が体でわかった

はるさんはたくさんチャレンジして、その中からうまくいっているものを選んだ結果、今、成功しています。
私が思う成功とは、お金と家庭と自分の満足感がバランスが取れていて「自分業」がうまく回っている状態。
はるさんが今、うまくいっているのは、試行錯誤の上、行動したからです。でも長い間、頭でそのことはわかっていても、ただはるさんの成功をうらやましく思ったり、私には何もする能力がないと勝手に落ち込む気持ちがなくなりませんでした。
本を読むと、はるさんがどう思考して道を築いていったかが具体的に書いてありました。どう考えを組み立てて実行されていたかを体感で理解することができました。
はるさんが「はるさんの道」を探されたから、今がある。
私も強いふりをしたり、できるふりをせず、私の道を自分で探していこうと思いました。
本の最後に「4年前の私へ。」と手紙を書いています。この最後の部分が一番、私がこの本を読んでよかったと感動した箇所でした。その言葉にとても励まされてました。
はるさんは、2018年の手帳に”「2020年4月、新しいことを始める」”と書いていたそうです。
私も期限を決めて自分業を見つけようと思いました。その過程でなにかまた壁にぶつかりそうになったときは、またこの本を読み直そうと思っています。
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